4月下旬の安倍晋三首相の欧米歴訪は、各国との友好関係を広め、6月に開催されるG20大阪サミットで日本がリーダーシップを図る上で、各国の支援を得ることを目的にしていたと思われます。
しかし、ワシントンD.C.及びオタワで安倍首相を迎えたのは、日本の石炭関連事業への支援に反対するの声でした。
国際環境NGOであるFriends of the Earth U.S. (FoE US)とオイル・チェンジ・インターナショナル(Oil Change International)のキャンペーナーたちは、安倍首相とトランプ大統領の会談に合わせ、ホワイトハウスの外で「化石燃料に対する日本の継続的な資金提供は、気候変動危機という緊急事態に逆行している」という強い主張を訴えるアクションを行いました。
日本は、未だ石炭火力発電事業に公的資金を投じる世界有数の国の1つのです。わずか数週間前、国際協力銀行(JBIC)は、ベトナムのバンフォン1石炭火力発電事業に対して12億ドルの貸付契約を締結しました。バンフォン1石炭火力発電事業は、多くの汚染物質を排出することが懸念されており、発電所の運転が開始されれば今後数十年にわたり、汚染物質を排出し続けることになります。
安倍首相がカナダを訪問した際、カナダの銀行の元重役であるドン・ロバーツ氏は『ナショナル・オブザーバー』に批判的な意見記事を寄稿しました。
ロバーツ氏は、「日本の石炭関連事業への投融資は、世界の金融機関が石炭への投融資を制限する方針を打ち出している急速かつ拡大する潮流に逆行している」と記し、「2018年1月以降、2週間に1つの銀行あるいは保険会社が石炭関連事業に対するより厳しい新方針を発表している」と述べています。
1月、カナダの輸出信用機関は石炭火力発電事業および一般炭事業に対する投融資を行わない方針を発表しました。
来月にG20サミット、そして2020年に東京オリンピックの開催を控え、国際社会の注目が日本に集まっている今こそ、安倍首相にとっては、気候変動対策の真のリーダーシップを示し、石炭関連事業に対する投融資をやめることを表明するチャンスです。
地球のために、安倍首相は、積極的な気候変動対策をとるべきです。