保険会社
日本の保険会社である東京海上、MS&ADおよびSOMPOは、石炭事業を含む電力・エネルギーセクターにおける主要な保険会社です。3社は、持続可能性を公約として掲げているにもかかわらず、気候を破壊する化石燃料事業の保険を引き受け続けています。
日本の保険会社の化石燃料に関する方針は、海外の同業他社に比べて大きく遅れています。国際環境NGOのネットワーク「Insure Our Futureキャンペーン」が発表した「保険会社の化石燃料・気候変動対策スコアカード2021」によると、東京海上は16位、MS&ADは17位、SOMPOは21位で下から3番目でした。3社は、包括的な石油・ガスからの段階的撤退方針をはじめて採用したAXAをはじめとするEU地域の保険会社に大きく遅れをとっています。
東京海上、MS&ADおよびSOMPOは、新規の石炭火力発電所事業の保険引受を原則停止することで合意しています。しかし、石炭火力発電に大きく依存する企業への投融資、石炭火力発電所の新設を計画中の企業向けの保険引受や株式・債券投資、その他の化石燃料産業への保険引受・投融資については制限していません。つまり、3社の方針はパリ協定と整合性がないのです。