問題点
私たちの地球は危機に瀕しており、コミュニティや生態系は、記録的な洪水、山火事、熱波、干ばつなどに苦しんでいます。この危機の主な原因は化石燃料です。
第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では、39の政府・機関が2022年末までに、国際的な化石燃料事業への新規の公的支援を終了することを表明しました。日本も2022年エルマウサミットで他のG7諸国とともに「各国が明確に規定する、地球温暖化に関する摂氏1.5度目標やパリ協定の目標に整合的である限られた状況以外において、排出削減対策が講じられていない国際的な化石燃料エネルギー部門への新規の公的直接支援の2022年末までの終了にコミットする」と合意しました。しかし、この合意に反して、日本はLNGやガスインフラへの新規融資を継続しています。
国際エネルギー機関(IEA)をはじめとする世界トップレベルの科学者や国際機関は新規化石燃料事業の世界的な段階的廃止を求めています。今こそ、気候危機に対応するため、各国政府が再生可能エネルギーの導入を大規模に進めることがこれまで以上に求められています。
しかし、日本は誤った方向に進んでいます。
日本国内のガス需要が減少し、アジア各地のコミュニティからは再生可能エネルギーの拡大を求める声が高まっています。それにもかかわらず、日本は化石燃料事業への支援にさらに力を注ぎ、その拡大への資金投入を継続しています。
日本が世界中でLNGの上流開発を進めてきた結果、各地に深刻な被害を残してきました。また、高価で価格変動の大きい輸入化石燃料への依存をアジア全体に広げ、アジアのエネルギー安全保障を損なう結果にもつながっています。他の経済的に裕福な国と同様に、日本には世界の排出量を削減し、再生可能エネルギーへの転換を先導する歴史的な責任があります。

ガスは環境を汚染し、高価で、不必要である
日本はアジア地域でガスの消費拡大に積極的に取り組んでいます。日本は2021年4月、アジアのガス市場拡大のために100億ドルの資金拠出を約束しました。
アメリカでの新規ガス田開発への融資からバングラデシュでのガス火力発電所建設まで、日本の企業・銀行・公的金融機関は世界中のガスのサプライチェーン全体に深く関与しています。
言い換えれば、気候と世界のエネルギー安全保障を犠牲にして企業利益を追い求める「世界的なガスの帝国」を築いています。
ガス消費の拡大は、地球とコミュニティにとって最大の脅威のひとつとなっています。環境問題専門の英情報サイト「カーボン・ブリーフ(Carbon Brief)」によると、2013年から2019年までのすべての年において、ガスは石炭よりも世界の排出量の増加を引き起こしました。
さらに、メタンガスはCO₂の80倍以上の温室効果を持つ強力な温室効果ガスであり、ガスの採掘から輸送、消費に至るすべてのサプライチェーンでメタンの漏洩・放出が発生しています。その結果、大気中のメタン濃度は過去最高レベルに達しています。
一方で、風力や太陽光といった再生可能エネルギーは安定的で安価、資源も豊富です。しかも、東南アジアの太陽光や風力ポテンシャルの99%以上は手付かずで、まだ活用されていません。日本には再生可能エネルギーへの転換をリードし、化石燃料からの脱却を進め、アジアに真のエネルギー安全保障をもたらす、そのチャンスがあります。
アンモニア混焼は、環境汚染を引き起こす石炭火力発電所を延命させる

パリ協定の目標を達成するために、日本を含むOECD各国政府は2030年までに石炭火力を段階的に廃止しなければなりません。アンモニア混焼は危険な目くらましです。
今も続く新規石炭火力発電所支援
さらに、2021年以降は新規石炭火力発電所への投融資を行わないとG7が公約したにもかかわらず、日本はマタバリ石炭火力発電事業フェーズ2(バングラデシュ)とインドラマユ石炭火力発電事業(インドネシア)への融資を検討しています。
火に油を注ぐことでは、気候危機を解決できません。日本は、日本の銀行や企業の短期的な利益よりも、私たちの地球と人々の健康を優先させる必要があります。日本は、化石燃料への支援をやめなければなりません。