日本は、再生可能エネルギーによる電力のみで運営される最初のオリンピック開催を目指しています。実現されれば、気候変動対策と環境保護のチャンピオンとして、日本は新しい国際的な地位につくことになり、また、その過程の中でクリーンエネルギーのレースを始めるものとなるでしょう。
日本のオリンピック組織委員会は、2020大会の電力を100%再生可能エネルギーで充てることを表明し、輩出が避けられない二酸化炭素排出量の全ては他の場所での削減等によって埋め合わせ(相殺;オフセット)、全ての調達する物品を持続可能性に配慮した調達コードに基づいて調達し、また、調達品の99パーセントがリサイクルまたは再利用されるようにレンタルサービスを使う計画を発表しました。例えば、選手のユニフォームはリサイクル生地で作られ、選手に授与されるメダルは寄付された使用済みの家電の金属等から作られる予定です。
そのようなビジョンが達成されれば、東京は今後開催される大会の水準をかなり引き上げることができます。従来のオリンピック大会は膨大な二酸化炭素を排出してきており、例えば、2016年に開催されたリオ大会では35カ国の年間排出量よりもはるかに多い二酸化炭素排出量が記録されました。
2017年にアメリカがパリ協定から離脱したことをきっかけに、中国はその気候変動のリーダーシップの空席を埋め、国際協定の主力として浮上しました。気候変動の深刻な被害を受ける国として位置付けられいるインドもまた同じような試みを見せています。この両国は再生エネルギー及びグリーンテクノロジーに多大な投資を行っています。
しかし、技術的で活気に満ちた社会として、日本は気候変動対策を主導する立場でもあります。日本の太陽光発電の設備容量は中国と米国に次いで3番目であり、日本のエネルギーミックスにおける太陽光発電のシェアはライバルの2倍以上です。日本の太陽光発電会社は太陽光発電パネル革新の最前線に立っており、近年では2倍の効率記録を達成しました。
さらに、日本の水素燃料産業も世界をリードしており、オリンピックで、聖火や選手村の一部への電力供給を行うことで、紹介される予定です。
これまでの歴史から、オリンピックが政治的・社会的目的のためのプラットフォームとして用いられたことがないわけではありません。今日、気候変動の危機がますます緊急性を強め、そしてその報告がより顕著化する中、2020年の夏季オリンピックは気候秩序の変化の足がかりを提示するものとなるかもしれません。今回のオリンピックのコンセプトは平和でより良い世界を築くことです。果たして、クリーンエネルギーのレースの幕開けより良い案があるのでしょうか。
本ブログ記事はThe ConversationのNiki J.P. Alsfordの記事から抜粋したものです。記事の全文はこちらへ。