市民社会が日本に要求――アジアのエネルギー転換を妨げるな
東京の国会議事堂前から、マニラやジャカルタの日本大使館前、クアラルンプールやシドニーの街頭まで、「日本がAZECを通じて私たちのエネルギーの未来を奪うことは許さない」という一つの力強いメッセージのもと、市民がひとつに結集する動きが広がった。日本主導のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)に異議を唱える「グローバル・デイズ・オブ・アクション」で、アジア太平洋地域の市民社会が立ち上がり、各地で一斉に抗議行動を展開した。
この抗議行動は、アジア太平洋地域の連帯を示す宣言であり、気候と地域社会を守るために立ち上がった人々の集団的な力を示すものでもあった。その矛先は、10月26日にクアラルンプールでAZEC首脳会合に臨んだ日本の高市早苗首相と各国首脳に向けられた。
AZECとは何か、なぜ私たちは反対するのか
AZECは、名目上アジア諸国のネット・ゼロ排出達成を支援するための地域プラットフォームとして日本が立ち上げたものである。しかし実際には、日本が化石ガスを「移行燃料」として推進し、アンモニアや二酸化炭素の回収・貯留(CCS)などの化石燃料関連技術を気候変動対策として売り込む手段となっている。これらはいずれも、太陽光や風力といった実証済みの再生可能エネルギー技術への移行を加速させるどころか、各国を長期的な化石燃料依存に縛り付けるものである。AZECは、アジア太平洋地域の膨大な再生可能エネルギーのポテンシャルの活用を支援するのではなく、日本企業の利益に資する、高額で汚染をもたらすインフラへの依存を地域に強いるおそれがある。一方で私たちの地域社会は、深刻化する気候災害や有害な化石燃料インフラ開発の影響という代償を支払わされている。
迅速かつ公正なエネルギー転換への止められない動き
市民団体は街頭で声を上げ、「AZECは化石燃料を延命させる手段ではなく、再生可能エネルギーを推進する真のプラットフォームになるべきだ」と訴えた。
この一斉行動を通じて、AZEC首脳会合の開催前という戦略的なタイミングで、アジア太平洋地域の36団体による共同声明が日本政府に提出された。声明は高市首相に直接呼びかけ、AZECを真の気候リーダーシップへと早急に方向転換するよう求めている。
フィリピンでは、アジア地域の市民運動連合であるAsian Peoples’ Movement on Debt and Development(APMDD)が中心となって日本大使館前で抗議行動を展開し、「台風や海面上昇で壊滅的な被害を受けたフィリピンの人々は、気候破局の元凶である化石燃料を日本が推進するのを、黙って見過ごすわけにはいかない」と強く訴えた。

AZEC首脳会合が開催されたマレーシアでは、アートを通じて気候正義を訴えるThe Artivist Networkが中心となり、「日本のCCS戦略は自国の炭素廃棄物を私たちの地域に押しつけようとしている。日本主導のAZECは、こうしたカーボンダンピングを正当化してはならない」という声明を発表した。

インドネシアでは、日本が今後数十年にわたりこの国を化石燃料依存に縛り付けようとする試みに抗議する運動が、数日にわたって繰り広げられた。KruHaが調整役を務めるDon’t Gas Indonesiaネットワークは、カラワンからバリまで複数の都市で抗議行動を展開した。ジャカルタでは、環境・エネルギー問題に取り組むWalhi Nasional、Walhi Jakarta、Celios、Greenpeace Indonesia、Jatam、Trend Asia、AEERが日本大使館前で平和的な抗議活動を行った。






日本では、複数の団体が東京の権力中枢に直接抗議の声を上げた。日本の市民社会は、自国政府による化石燃料インフラの輸出に異議を唱えており、これは気候正義を求める闘いが国境を越えることを示している。
オーストラリアでは、複数の市民団体がキャンベラ、ダーウィン、シドニーで複数の抗議行動を通じて連帯を表明した。これらの行動は、日本主導のAZEC構想と、日本が出資するガス事業によって今まさに破壊されている先住民の聖地への影響とのつながりを浮き彫りにした。


多様な運動、一つの声
5つの国と複数のタイムゾーンをまたいで足並みを揃えて実施された多様な運動は、分断も沈黙も拒むアジア太平洋地域全体に広がる抵抗ネットワークを体現している。市民社会は一致団結して結集し、戦略を練り、共に行動して、日本の高市首相とAZEC首脳陣に対峙した。
アジア太平洋地域の市民社会は、この一連の行動に時間とエネルギーと情熱を注いだ。街頭に立ち、大使館前で声を上げ、同じ懸念を共有するマレーシアの国会議員と連携し、AZECのグリーンウォッシュを暴く分析結果を発表した。これらすべてが実現したのは、アジア太平洋地域の人々が、何が失われようとしているかを認識し立ち向かう意志を持っているからである。
今後の道筋
共同声明に署名した36団体は日本に以下を求めている。
- LNG、アンモニア/水素混焼、バイオマス、炭素回収・貯留(CCS)といった化石燃料に基づく技術への支援を終了すること。
- 公的資金を無償の形で、地域社会に根ざした再生可能エネルギーおよびエネルギー効率化の拡大に振り向けること。
- コミュニティと生態系を尊重し、ASEAN地域が日本の排出した二酸化炭素や時代遅れの技術の受け入れ先として利用されないようにすること。
転換点
「グローバル・デイズ・オブ・アクション」は、アジア太平洋地域の市民社会が日本の政策を注視し、地域のエネルギー転換を妨げさせまいと組織的に行動していることを示している。草の根の活動家から国会議員まで、気候変動の悪影響を真っ先に受けるフロントライン・コミュニティから研究者まで、アジア太平洋地域全体に広がる運動が「AZECは『ゼロ排出』の名にふさわしい存在となるべきだ」と求めている。
日本主導のAZECに反対する今回の一斉行動は、私たちが国境を越えて団結し、連帯を軸に活動し、地域社会に根差した再生可能エネルギーをエネルギー転換の核心に据えるよう呼びかけ、偽りの解決策を拒むとき、無視できない力となることを証明した。
