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2023年4月11日 - By Oil Change International

「グリーントランスフォーメーション(GX)」は、アジアにとって有害なエネルギー戦略である

Credit: Jimmy Domingo / LiCAS News

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4月15日・16日に札幌で開催されるG7気候・エネルギー・環境大臣会合に向け、準備をする中、日本はLNG、アンモニア、水素への投資に対する融資と支援の強化を推進している。各国が化石燃料を段階的に削減するために尽力すべきであるにも関わらず、日本の方針では化石燃料の使用を長引かせてしまう。

今こそ、日本の誤ったエネルギー戦略に反対する正念場である。日本は外交力を駆使して、G7や東南アジア諸国連合(ASEAN)で化石燃料に基づいた技術を推進し、発展途上国で展開するための「適切な支援」を提供しようとしている。日本がこの戦略を推し進めることは、アジアの脱炭素化への移行を阻むことになる。

「グリーントランスフォーメーション(GX)」は地球に優しくない
2023年2月、日本における2050年までのカーボンニュートラル達成とアジア全域のエネルギー移行の支援を掲げる「GX実現に向けた基本方針」が岸田政権により閣議決定された。今後10年間で150兆円(1.1兆米ドル以上)の公的・民間資本を投入し、日本国内の産業部門を見直し、整備するとともに、日本の技術輸出や金融支援をパートナー国に提供することを目指す。

しかし、この基本方針は、日本の企業利益のために作られたグリーンウォッシュである。基本方針は、LNG、石炭火力発電所でのアンモニア混焼、化石燃料由来の水素、二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)など、化石燃料に基づいた技術に大きく依存している。

これらの技術が実際に意味すること
これらの技術の推進派は、このような技術は二酸化炭素(CO2)を排出しない、または脱炭素化に貢献すると訴える。しかし、これらは全て化石燃料に基づく技術である。再生可能エネルギーが、安定して利用可能であり、よりクリーンかつより安価であるにもかかわらず、これらの技術によって化石燃料の使用が長引くことになるであろう。

LNG
日本は、国際市場での影響力を拡大・維持するために、アジアでより大きなLNG需要を創出するべく取り組んでいる。日本は、国際的なガス事業に対する世界最大の公的支援国であり、2020年から2022年は年平均43億米ドルを投じている。LNG輸出基地に対する世界最大の資金提供国であり、2012年から2022年までに約400億米ドルを投じている。

  • LNGは、サプライチェーン全体におけるメタンガスの放出や、加工に必要なエネルギーを鑑みれば、石炭同様に問題である。
  • ガス掘削現場や輸送する場所では、関連インフラが地域社会や環境に害を及ぼしている。
  • ガス関連インフラに投資する国々は、座礁資産のリスクに直面するであろう。


化石燃料とアンモニア・水素の混焼
日本は、既存の火力発電所で石炭とアンモニアを、または化石燃料ガスと水素を混焼する技術に対して、多額の投資を行っている。また、この手法を南アジアや東南アジアの国々に輸出しようと熱心に取り組んでいる。

  • 石炭とアンモニアを同量ずつ燃焼させたとしても(アンモニアを同量まで混焼するのは現在の技術では不可能であるが、仮にしたとして)、ガス焚きのコンバインドサイクル発電所と同程度のCO2が排出される。
  • また、アンモニアは大気中に放出された場合、強力な温室効果を有する亜酸化窒素(N2O)の基となる。
  • 大半のアンモニアと水素は化石燃料から製造されるが、材料となる天然ガスはライフサイクルを通じてメタンガスなどの温室効果ガスを排出する。
  • 日本は、石炭火力発電所でのバイオマス混焼を奨励することで、石炭の利用を長引かせている。木質バイオマスを石炭と混焼する発電所も、バイオマスのみを燃焼する発電所も、石炭を燃やすよりも多くの温室効果ガスを排出する。


CCUS
二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)は、石油やガス、石炭の燃焼時に発生するCO2が大気に放出される前に回収し、地下深くに埋めたり、他の製品に転換利用することを想定している。

  • 世界中で稼働しているCCUS事業の大半は失敗している、あるいは不調であり、その多くが期待値を大幅に下回っている。現在稼働している商業用CCUS施設は、IEAのネットゼロシナリオを満たすために必要な量の3.5%しかCO2を回収していない。
  • 日本は地中に貯蔵する適地がないため、東南アジアにCO2を輸出するという物議を醸す計画もある。


GXはアジア諸国にとってどのような影響があるのか?
日本は、GXを用いて、アジアのエネルギー移行を推進する上で、より支配的な役割を果たそうとしている。日本のエネルギー関連企業は新たな輸出市場を求めており、負債を抱えた東南アジアの新興国は第一の標的である。

日本の支援に反意を示すアジア諸国
日本がこれらの技術を推進し、化石燃料の利用を拡大しようとする計画に対して、アジア全域の市民団体は反意を示している。 

  • 国際協力銀行(JBIC)は、フィリピン初のLNG輸入基地を開発するアトランティック・ガルフ・アンド・パシフィック社(AG&P)の株主である。2022年10月、漁業コミュニティや市民団体は、AG&Pが環境法に違反しているとして、フィリピン環境管理局(EMB)に苦情を申し立てた。
  • 国際協力機構(JICA)は、バングラデシュの統合エネルギー・電力部門マスタープランに関して助言を行い、LNGとアンモニア混焼の両方を推進している。バングラデシュで進行中であるLNG調達から発電までの一体型(LNG to Power)事業計画の半分以上がチョットグラム管区で計画されている。2022年5月、チョットグラムの活動家たちは、これら事業への支援を打ち切るよう日本企業に圧力をかけるため、抗議活動を行った。
  • JICAは、インドネシアの電力部門を脱炭素化するためのロードマップの策定を策定した。ロードマップでは、アンモニア、水素、LNG(二酸化炭素回収・貯留(CCS)併用)が主燃料として「望ましい」と位置付けられている。2022年11月、インドネシアの市民団体は日本政府に対し、化石燃料を延命させ、インドネシアの環境と生計手段を破壊することをやめるよう求める要請書を提出した。

国内外からの圧力の高まり
今年のG7の議長国として、日本が、排出削減対策が講じられていない化石燃料エネルギー部門への国際的な公的直接支援を終了するするという昨年の公約を守ることを期待する。さらに、日本が気候変動とエネルギー危機を真剣かつ真摯に受け止め、高価で効果がなく、実証されていない技術に時間と資源を浪費するのではなく、クリーンで公正なエネルギー移行を支援することを強く求める。世界中が注目しており、日本が汚いエネルギーへの支援を止め、再生可能エネルギー支援へシフトするまで、G7や今後の国際的な場面で各国の市民団体が抗議活動をする予定である。

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