日本の化石燃料への支援を終わらせるために活動する30以上の市民社会団体から構成されるFossil Free Japanは本日、オーストラリアのガス輸出に対する25%課税を支持する声明を発表しました。その背景には、アメリカによるイランでの戦争が国際的な液化天然ガス(LNG)価格を50%押し上げている状況があります。
INPEXやJERAをはじめとする日本企業は、オーストラリアにおける13のLNGプロジェクトにおいて、総額500億ドルを超える出資持分を保有しています。しかし、INPEXは2015年以降、オーストラリアにおいて資源使用料(ロイヤルティ)や石油資源利用税(Petroleum Resource Rent Tax)、法人税をほとんど支払っていない一方で、戦争による価格上昇に乗じてオーストラリアの公共資源から巨額の利益を得ています。紛争の激化により、イランをはじめ世界各地の人々が命や住まい、そして生活費の高騰という形でその代償を負っている一方で、化石燃料企業は利益を拡大させています。Fossil Free Japanは先週、在オーストラリア日本大使の鈴木量博氏が、オーストラリア産ガス輸出に対する25%の課税は投資家にとって「悪いサプライズ (bad surprise)」と述べた発言を強く批判しました。本当の「悪いサプライズ」とは、日本やオーストラリアのような国々が、化石燃料産業による戦争を背景とした利権の拡大と、エネルギー価格の高騰に苦しむ人々や、資源採掘の影響を受ける地域社会や生態系への深刻な影響を、いまだに容認し続けていることです。
Oil Change Internationalのキャンペーナーである渡邉未愛氏は、次のように述べた:
「日本がオーストラリアのガス事業に関与しているのは、国内のエネルギー需要を満たすためではなく、利益を得るためです。日本の企業や金融機関は、オーストラリアのガスを他国へ再販売することで利益を得る一方で、オーストラリア社会にはほとんど還元していません。今こそ日本は責任を果たし、ガス依存から脱却し、人々のための手頃な価格の再生可能エネルギーシステムへと移行すべきです。」
また、Jubilee Australia Research Centreのシニア気候正義キャンペーナーであるジェームズ・シャーリー氏は、次のように述べた:
「この中東における無意味な暴力は、世界の石油・ガスのサプライチェーンの脆弱性を浮き彫りにしました。しかしその一方で、日本およびオーストラリアのガス企業は、その裏で利益を上げています。多くの人々が生活のやりくりに苦しむ中、これらの企業が戦時下の利益を抱え込むことが許されている現状は極めて不合理としか言いようがありません。アルバニージー政権はこの問題を長らく放置してきました。すべてのオーストラリア産ガス輸出に対する一律25%の課税以外に、受け入れ可能な対応はありません。」
以下、声明全文:
現在アメリカ、イスラエル、イランの間で続く戦争は、中東地域全体で民間人に甚大な影響を及ぼしており、国際人道法に反するものです。この紛争は、帝国主義と資源収奪に深く根ざしたものであり、世界のエネルギー市場を大きく揺るがしています。その結果、戦争の開始以降、国際LNG価格は50%以上上昇しています。 Fossil Free Japanは、健全で住みやすい地球の未来を目指す市民社会団体として、戦争や紛争のない未来の実現にも尽力するネットワークです。私たちは、中東全域の地域社会やこの不安定な情勢の影響を受けているアジア太平洋地域の地域社会と連携し、すべての国家主体に対し、戦争の終結に向けてあらゆる外交的手段を尽くすよう強く求めています。
この紛争がもたらす有害な副産物の一つとして、Fossil Free Japanは、日豪間のガス取引に関わる主要なステークホルダーと、中東からの石油・ガス供給ルートの遮断によって彼らが得ている戦時下の利益に焦点を当てています。
日本の金融機関は、オーストラリアのLNG事業に対する最大の出資者です。INPEXやJERAをはじめとする日本の化石燃料関連企業は、オーストラリアにおける13のLNG輸出プロジェクトにおいて、総額500億米ドルを超える出資持分を保有しています。さらに、日本の輸出信用機関である国際協力銀行(JBIC)は、これらのうち9事業に関与しています。そして、INPEXは2015年以降、オーストラリアにおいて資源使用料(ロイヤルティ)や石油資源利用税(Petroleum Resource Rent Tax)も一切支払っておらず、法人税も驚くほどわずかしか納めていません。同社は現在、危機によって高騰したガス価格から利益を得ていますが、その利益は、実質的にタダで採掘されたオーストラリアの公共資源の上に成り立っています。
これらの利益は企業の株主の懐を潤すだけであり、エネルギー価格の高騰に苦しむ日本の一般家庭や、ガソリン価格の高騰や金利上昇に見舞われているオーストラリアの一般市民には還元されていません。さらにアジア全域において、オーストラリア産ガスの輸出は地域社会の化石燃料への依存を一層深め、気候危機を加速させるとともに、各地のコミュニティにおいて強く求められている再生可能エネルギーへの移行を妨げています。このままでは、エネルギーシステムは地政学的な衝撃に対して危うい状態にさらされ続け、価格や供給は人々のニーズではなく、紛争によって左右される状況が続くことになります。
日本は単に国内利用・備蓄のためにオーストラリア産ガスを輸入しているわけではありません。必要量を上回る契約を結ぶことで、日本は現在、オーストラリアからの輸入量を上回る量のLNGを他国へ再販売しています。この利益率の高い取引は、エネルギー安全保障よりも企業利益を優先するものであり、商社が危機や不安定な市場を利用して利益を拡大することを可能にしています。イランでの戦争によりガス価格が急騰している現在、こうした再販売による利益はさらに拡大しています。機能不全に陥った税制の下で、オーストラリアは事実上、日本の商社の利益を支えている一方で、そのしわ寄せは両国の一般家庭に及んでいます。
同時に、LNGはエネルギー源としてますます信頼できないものになりつつあります。世界的なエネルギー危機のさなかに発生したオーストラリアのバロッサ・ガス事業の停止は、LNG供給がエネルギー安全保障を実現し得ないことを示しています。
世論調査によれば、オーストラリアではガス輸出に対する25%の課税を支持する声が広く見られています。ガス産業およびその支援者が、公平な負担を果たすべき時はすでに来ています。企業が一時的な超過利潤を計上した場合に限らず、ガスが輸出されるたびに課税されるべきです。一律25%の課税は、公共サービスのためのより安定した財源を生み出すとともに、貿易相手国にとって予見可能な政策環境を構築することにもつながります。これまで長年にわたり、企業利益を優先するために税負担の先送りや外交的圧力が続けられ、その結果として地域社会や地球環境が犠牲にされてきました。このような状況は終わらなければなりません。日本の在オーストラリア日本大使が、このような課税を「悪いサプライズ」と表現したことは遺憾です。本当の「悪いサプライズ」とは、世界市場の激しい変動による深刻な影響が生じている中にあっても、日本やオーストラリアのような国々が化石燃料企業による戦争を背景とした利得の拡大を容認し続けている現状そのものです。
イランにおける戦争は、日本とオーストラリアが協力し、世界的な価格変動から一般家庭を守りつつ脱炭素化を加速する、強靭で自立したエネルギーシステムを構築する必要性を改めて示しています。それは同時に、化石燃料と地政学的な不安定性に依存した現在のエネルギーシステムの脆弱性と不公正さを浮き彫りにしています。取るべき選択肢は明らかです。再生可能エネルギーのポテンシャルを活かすことで、日本は2040年までにエネルギー自給率を約75%まで高めることが可能とされています。化石燃料の不安定性から利益を得ている企業に対する課税は、この移行を進める上で重要な一歩となります。
連絡先:
渡邉未愛(mia@oilchange.org)